ゲームプランナーが転職の面接対策で意識するべきポイント

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ゲームプランナー 面接対策 最近、テレビCMが多く、勢いが感じられるスマートフォン用のゲームアプリ。著名なアーティストを主題歌に起用したり、大規模なセールスプロモーションを実施したりと話題に事欠きません。以前のゲームアプリは、参入のしやすさから多くのゲーム制作会社がエントリーし、短納期・低予算のシンプルなゲームが目立ちました。しかし、今日ではゲーム専用機向けのパッケージ並みに作り込まれたゲームが増え、開発規模・予算もそれに匹敵するまでに成長しています。

こうした事情から、ゲーム業界はアプリ部門を主として積極的な採用を行っていますが、人材に対する要求度も高く、結果として、ゲームプランナー、及び未経験の転職志望者にとっては「狭き門」になっていることも事実です。

「ゲームが好き」というだけではなかなか面接を突破できないゲームプランナーの求人。面接対策で気を付けたいポイントを説明しましょう。

同系統・同規模の会社でも企業文化は大きく異なる

今日のゲーム会社は、大きく3つの系統に分かれています。

モバイル系 スマートフォン用のゲームアプリ開発が中心。外資や新興ベンチャー企業が多い。
総合系 ゲームのハードとソフトを総合的に開発するメーカー。老舗の有名大企業が多い。
ソフト系 ゲーム専用機向けのタイトルを開発してきた実績あるソフト会社。これまでの資産を、ゲームアプリに移植して成功しているケースが目立つ。

ゲームプランナーが転職を考える場合は、どの系統のどんな会社が自分に向いているのか、その会社で自分は何をやるのかを考えて、エントリーする会社を選定する必要があります。

ただし、同系統の会社であっても、会社ごとに大きく異なる企業文化を持つのがゲーム業界の特徴です。企業研究の段階で、しっかり各会社の企業文化や「こだわりのポイント」を押さえておかないと、面接時に見当外れの受け答えをして不採用…という結果も十分考えられます。

ゲーム業界は、クリエイター職の中でも特に個々の会社とのマッチングが転職成功のカギとなります。「マイナビクリエイター」のキャリアアドバイザーも、応募者のスキルに加えて、価値観や「こだわりポイント」の適合性に重点を置いてマッチングを行っています。

未経験者に求められる人材像は「数字に強い人材」

ゲームプランナーの求人では、意外に「未経験者歓迎」という企業が多く見られます。ゲーム業界での経験がまったくない、もしくは浅い人でも、資質やセンス、これまでのキャリアでゲームプランナーに役立てられる部分があると認められれば、転職のチャンスは十分あります。それどころか、「他社の色に染まっていない」という理由で好感を持ってもらえる会社も少なくありません。

ただし、業界未経験者がゲーム業界という狭き門を突破するためには、それなりに求められる資質や条件といったものがあります。

ゲームプランナーというと、「斬新なアイディア」を真っ先に求められる職種だとイメージしがちです。それは基本的には間違っていませんが、実際には未経験者にいきなり新作の企画を任せる会社はまずありません。既存のゲームタイトルを改善しながら収益安定、収益アップを図っていく仕事が中心となるでしょう。たとえばソーシャルゲームの場合、アクセス解析などの数字を見て改善策を考え、それを企画にまとめていくといった業務を任されることになると思われます。

このような背景から、未経験者歓迎の求人では、「数字の強さ」をアピールできると有利です。理系出身、統計学専攻、前職がエンジニアなどの応募者は高評価されます。そうでなければ、前職でどんな仕事であれ「データや数値をベースにPDCAを回し、それを問題解決や業績改善に役立ててきた」という実績があれば、一定の評価が得られるでしょう。

ゲームプランナー 高評価例

こういった方面のアピールをせず、単に「ゲームが好きだ!」という熱意だけを前面に出しても面接担当者の胸を打つことは難しいと思われます。 典型的なNGトーク例を見てみましょう。

NGトーク例

面接官 あなたの強みを教えてください。
応募者 私は、物心ついたときからゲームが大好きで、こう話しているだけでも興奮してくるぐらいです。授業中などゲームができないときには、自分ならどんなゲームを作るかを考え続けてきました。ゲームプランナーになったら、寝ずにゲームのことを考え続けられると思います。
面接官 授業を聞いていなかった?数学は得意ですか?
応募者 いえ、数学は一番苦手でした。
面接官 そういう方は、ちょっと当社では困るのですが…。

ゲーム業界の人にとって「ゲーム好きである」ことは大前提です。ほぼ全員が「ゲームをしていたら熱中して朝になった」とか「好きなゲームプランナーの作品は全部やり込んでいる」といった経験を持っています。そこでは、他の応募者と差別化はできません。

また「ゲームが好き」と一口に言っても、「ゲームで遊ぶのが好き(消費者視点)」というのと、「ゲームで人を喜ばせるのが好き(制作者視点)」という違いがあります。業界経験はなくとも、制作者視点でゲームを見る(ビジネスとして考える・分析する)スタンスはぜひともほしいところです。

「どれほどゲームが好きか」を熱く語っても、それだけでは「熱心なファン」ということになってしまいます。高評価を受けるには、「ゲームに対する情熱」を感じさせながら、前職で何をやってきたか、そこで得たスキルをゲームプランニングにどう活かせるか、という論理でアピールする必要があるでしょう。

高評価トーク例

面接官 あなたの強みを教えてください。
応募者 私は数学が得意で、学生時代、ずっと数学の成績はトップクラスでした。前職では飲食チェーンの本部で各店舗の経営データ解析をやっていたのですが、最初は経営指数一つひとつを前月・前期・前々期と比較していました。それに慣れてくると、A3用紙1枚ほどの各月の経営レポートを俯瞰して、「どこに問題点があるか」を全体から見抜けるようになりました。 さらに、半期分・一期分のレポートを通読し、その店舗で起きていることが数字から読み解けるようになりました。羅列した数字のマトリクスから“絵”が見えるようになってきたのです。
面接官 それはすごい能力ですね。ゲームプランナーの仕事にどう活かせると思いますか?
応募者 いきなりヒットするゲームを企画できるというわけではないと思いますが、KPIに関するレクチャーを受けさせていただければ、今このゲームがどんな状況にあるか、どんな改善が必要であるかといったことは見抜けると思いますし、改善提案ができると思います。また、『このような状況でこのようなプロモーションを打てばどんな成果が得られるか?』といった過去のデータを見せていただければ、必要なタイミングで適切なプロモーション手法を選択できると思います。実は飲食チェーンでも、頻繁にさまざまなプロモーションやキャンペーンを行ってきました。季節、来客数、顧客単価、属性など、さまざまなデータの推移を総合的に分析して『今やるべきこと』の仮説を立てるのは得意ですから、きっと御社のお役に立てると思います。
面接官 いいですね!

なお、話の最後は「自分には高い能力がある」で終わるのではなく、必ず上記のように「会社にどのように貢献できるか」という結論で締めくくるという点にも気を付けてください。

経験者に求められる人材像は「確実に収益を上げる人材」

ゲームプランナー職の経験者に要求されるのは、「確実に収益を上げるゲームを作る」「収益性の低いゲームを改善できる」といった確実性と堅実性です。こうした実績を積んで信頼を獲得することで、新しいゲーム企画についても「この人なら、大ヒットするかどうかは別にして、確実に黒字にしてくれるだろう」と、安心して任せることができるからです。当然、面接においてはこのような確実性と堅実性に主軸を置いたアピールが必要とされるでしょう。

現在、家庭用ゲームのソフトは、大作であれば映画並みの予算をかけて制作するビッグビジネスとなっています。ゲームアプリでも数億円、数十億円といった莫大な開発費をかけるのが当然になり、ひとつのゲームの成果が社運を左右しかねない状況です。

また、ゲームアプリも運用コストはどんどん肥大化してきています。後発のゲームにユーザーを奪われず、長期にわたって収益を上げ続けるためには運用と改善が必要不可欠ですから、「斬新なアイディアを生み出せるゲームプランナー」よりも「数字に強く着実に稼いでくれるゲームプランナー」のほうが、需要が高いのです。

ゲームプランナーの転職希望者は、面接にオリジナルのゲーム企画書を持ち込む応募者が多いのですが、「画期的でおもしろいゲームの企画書」だけでは不十分です。もちろんそれも必要ですが、それと同等以上に「担当したゲームでどう収益を上げてきたか」といった、数字的な実績をアピールすることが欠かせません。そこが欠けていると、面接担当者を十分納得させることができないのです。

数的な実績がアピールできないために面接担当者を失望させてしまう典型的なNGトーク例を見てみましょう。

NGトーク例

面接官 あなたの強みを教えてください。
応募者 私は今までおもにパズル系のゲーム制作を担当してきました。パズルに新しい要素のおもしろさを加える発想力には自信があります。
面接官 ヒットしたゲームはありますか?
応募者 そうですね、〇〇や××といったゲームはご存じありませんか?リリース直後〇〇万本ダウンロードされました。
面接官 どれくらい運用していたのですか?
応募者 運用はディレクター任せで、私はすぐに次の企画に取りかかりましたからよく覚えていません。前職では、どれだけゲームを延命させるかを考えるのはディレクターの仕事だったものですから。
面接官 当社はそれでは困るのですが…。

面接担当者は、個人的な感情は別として、ゲーム会社の一員である以上ゲームを商品として捉えています。「ゲームでどう収益を上げてきたか」が語れず、また「収益性にあまり関心がないのではないか?」といった印象を与えかねない上記のような受け答えはNGです。

では、どのような対応が高評価を得られるのでしょうか?

  • 自分が担当したゲームの、リリース後の実績・収益性に関心が高いことをアピールする
  • 経営視点を持っていることをアピールする
  • 既存ゲームの改善提案や派生企画の立案など幅広く収益アップに貢献できることをアピールする

というように、会社の業績に貢献できる人材であることを強調するべきではないでしょうか。 たとえば次のような対応であれば、かなり高い評価が得られるはずです。

高評価トーク例

面接官 あなたの強みを教えてください。
応募者 最近では○○というパズル系のゲームを担当しました。社内ではおもに新規制作を担当していまして、これまでに〇本のゲームを開発しました。
面接官 ヒットしたゲームはありますか?
応募者 御社の競合ゲームなので言いにくいですが、昨年、学園シミュレーションゲームの△△がアプリストアの人気ランキングで3位になりました。実はあのゲームは、いまだにMAUが3位をキープしています。
面接官 過去作品のそういう数字は気になりますか?
応募者 そうですね、制作していないゲームも含め、社内の全ゲームのKPIは毎日チェックするのが習慣です。私はゲーム業界で総合的にキャリアアップしていきたいので、経営視点からの運用スキルもさらに磨きたいと考えています。
面接官 そうですか。ところで、△△に負けた、ウチの□□はどうですか?
応募者 あのゲームは私も楽しく遊ばせていただいています。特に○○先生のビジュアルとキャラクターが印象深いので、あのキャラクターを単独で立たせられたらいいのではと考えています。スピンアウト企画をはじめ、企業広告など、他メディア展開にも耐えうるキャラクターだと思います。実は前職で一度、他メディア展開を手掛けてヒットさせたことがありまして…。
面接官 それはぜひ詳しく聞きたいですね!

上記のトーク例では、自分が仕事を通じて会社に収益をもたらすことのできる人材であることを話の柱としています。 さらに、既存ゲームの資産を活用してさらに収益アップできる可能性についても提案しています。

このような話し方ができれば、面接担当者はあなたを「組織の一員としての自覚を持っており、会社に貢献する意欲が高い人材だ」と評価してくれるでしょう。

まとめ

ゲームプランナーは会社の経営を左右する「ゲーム」という主力商品を手掛ける職種です。クリエイティブなセンスだけでなく、いかに経営感覚と収益感覚をアピールするか、そして「会社を儲けさせる」という使命感をアピールするかが面接では重要なポイントとなります。

そういう意味では、上記の高評価トークの例などでは、「経営視点からの運用スキル」に対する関心度がアピールできており、スキルや意欲に加えて、「会社側から期待されるゲームプランナーの人材像」がよく理解できていることもアピールできるでしょう。ある程度以上のキャリアを引っ提げて転職を成功させたいのであれば、面接での受け答えにもこれくらいの懐の深さを見せたいものです。

もちろん、こうした受け答えをするためには、事前に入念な面接対策をしておくことが欠かせません。これは、業界経験者であっても未経験者であっても同様です。

ゲームプランナーとして満足できる転職をご希望でしたら、ぜひ「マイナビクリエイター」のキャリアアドバイザーにご相談ください。ゲーム業界経験の有無を問わず、面接対策はもちろん、エントリー先の企業とのマッチングから採用まで、転職活動の全領域を総合的に支援させていただきます。

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